黒瀬みよ
おでん

黒瀬みよさんによる今回のレシピコラムは、冬になると食べたくなる「おでん」です。そう、おでんっておいしいけど準備が多くて、前の日から、、なんなら数日前から「おでん作るぞ!」と気合をいれないと、ちょっと億劫に感じたりします。

具材のチョイスや出汁次第でおいしいおでんができるなんて、なるほど!と思うみよさんのレシピコラムです。これからの時期にぜひお家で試してください。(フードオーケストラ)

 

 分量 4〜5人分

出汁の材料

水・・・・・・・・・・・・1200g
昆布・・・・・・・・・・・5cm × 10cm 3枚
鰹節(土佐節1袋使用)・・  40g

薄口醤油・・・・・・・・・大さじ3〜4
みりん・・・・・・・・・・大さじ4〜5
塩・・・・・・・・・・・・小さじ2
砂糖・・・・・・・・・・・小さじ1

おでんの材料

大根・・・・・・・・・・・700g〜800g
ゆで卵・・・・・・・・・・5〜6個
ちくわ・・・・・・・・・・3〜4本(斜め半分に切る)
練り物の天ぷら・・・・・・お好きなもの2種類ほど
こんにゃく
・・・・・・・・1丁(三角形で8当分)
鳥もも肉・・・・・・・・・300g
出汁を取るときに取り出した昆布
(2センチ幅くらいに長く切って結んでも良いし、結ばなくても良い)

 

 
竹内商店の土佐節花削り40g

 
フミ子の生ゆず胡椒 各種


作り方

① 出汁を取る。
② 鍋に水と昆布を入れて火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出す。
③ 沸騰したら火を止めて鰹節を全て入れ、蓋をしてしばらく置いておく。
④ 大根を3センチ程度の厚さに切り、皮を剥いて鍋に入れ、生白米大さじ1と被るくらいのたっぷりの水を入れて火にかけ、沸騰したら弱火にし、大根が柔らかくなるまで下茹でする。
⑤ 柔らかくなったら流水で洗いザルに取る。
⑥ ③を大きめのボウルに濾す。(ザルに残っている鰹節はしぼって出汁を出し切る。)
⑦ ボウルの中に調味料を全て入れて混ぜる。
⑧ 鳥もも肉は冷たいフライパンに皮目を下にして置いてから火にかけ強火で一気に焼き色をつける。裏返してさっと焼いて取り出して大きめの一口大に切る。(火が通っていなくて良い)
⑨ 大きめの鍋におでんの材料を並べて入れ、⑦を適量注ぐ。
⑩ 火にかけて沸騰したら灰汁を取り、弱火で20分から30分程度煮る。
⑪ 一度冷ましてもう一度火にかけるとより味が入る。
⑫ お皿に取り、柚子胡椒や辛子をつけてどうぞ!

 







 


食卓にドドンと出される鍋料理には、全く心が躍らなかった幼き頃。
その中で唯一私を小躍りさせたのが、おでんだ。
おばあちゃんが『今日の夜ご飯は<かんとだき>やで』と教えてくれると、私はふふふと喜んだものだ。(かんとだき=関東炊き、関東煮)
吐く息が白くなり、手が悴む寒い夜に食べる熱々のおでん。
味が染み染みの大根、串に刺さった牛すじ、餅巾着が私は特に大好きだった。
自分が作る立場になり、母はとても手間隙をかけておでんを作ってくれていたのだ、と思う。

さて。
そんな手間隙をかけるおでんもいいが、最小限の手間で、最小限の調味料で、本格的な美味しいおでんが作れないものか、と考える。

出汁を取るのはもちろんのこと、おでんの具材で絶対に必要な大根の下茹で、茹でて殻を剥かなくてはいけない卵。
油揚げがあれば必ず油抜きをしなくてはいけないし、牛すじが食べたければ、とても長い時間下茹でを頑張らなくてはならない。具材が増えればその分きっと美味しくなるが、案外おでんはやることが多い。
このレシピでは、その、しなくてはいけない下処理を極力減らせる具材をチョイス。
この程度なら、きっと億劫になることなく午前中に仕込みを終わらせ、夜に向けて味を含ませることも可能だ。


そして調味料を最小限にするために必要なものは、濃い、美味しい出汁。
私がこだわったのは水の量と鰹節の量。
水が少しでも多くなると、レシピと同じ量の調味料を入れても味が薄く感じて、いわゆる「味が決まらない」状態になってしまう。その状態になると、どんどん味を足さなくてはならなくなり、味は濃いけど物足りないと言う、なんとも残念なおでんになってしまうのだ。

その、濃い美味しい出汁を取るためにはもちろん美味しい鰹節を使いたい。
フードオーケストラで取り扱っている鰹節を使って試作をしたことも、私のこだわりのひとつ。

このレシピとここで売っている鰹節があれば、誰でも、絶対に美味しいおでんが作れる。

そんなレシピを作りたくて、何度も何度も試作を繰り返したのは、ここだけの話。


薄い色で、上品で、優しい味。
私はいつも、母が作ってくれていた味を目指しておでんを作る。

 

 

写真:黒瀬みよ

 

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黒瀬みよ

1980年 食いしん坊一家の長女、大阪生まれ。
3人の男の子の母。
クシマクロビオティック日本校卒業。
その後、薬膳を3年間、フランス地方菓子を5年間学ぶ。
2017年よりアメリカジョージア州へ。
2020年に帰国後、a treat を立ち上げる。
レシピ開発やオンライン料理教室を行っている。

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はじめまして! 安心できる、おいしい食品を選りすぐってお届けするオンラインストア、フード・オーケストラです。育み作る人と食べる人は、深呼吸するように、つながり、めぐるもの。しあわせで、おいしい音が、途切れることなく明日も明後日も響いたらいいなと思う。正直で、安心できる、おいしい食品を選ぶことは、作り手や子供たちの、わくわくするような素敵な未来をひらいています。私たちが毎日できる、小さくて、大きな力。日々のくらしに無理なくしっくりとくる、おいしいものやうれしいものを、私たち自身の感動を忘れることなく新鮮な目で選び、みなさまの食卓へとお届けするオンラインショップを目指します。