黒瀬みよ
だし巻き卵とおにぎり

だし巻き卵や塩おにぎりの作り方って教わったことがあっただろうか。と黒瀬みよさんの話を聞いて思った。気がつけばいつの間にかなんとなく作っていたように思う。みよさんが作るだし巻き卵と塩おにぎりを横で見ながら、家に帰ってすぐに同じように作り、子どもと食べた。おにぎりの塩加減とか、だし巻き卵の焼き方とか、シンプルだけどそんな基本のことを子どもにも伝えたいと感じた時間でした。どれだけ美味しかったかを書き出すと、止まらなくなるのでぜひみなさんも試してみてください。(フードオーケストラ 大植)


【だし巻き卵と塩おにぎりの作り方】
まずは、だし巻き卵
おうちで作る、じゅわっとおいしいだし巻き卵。
ぜひご家庭でお楽しみください。

材料
卵(M寸)・・・・・・5こ
カツオだし・・・・・・150cc
しょうゆ・・・・・・・小さじ1/2〜小さじ1(お使いのしょうゆの濃さによります。)
塩・・・・・・・・・・小さじ1/4
砂糖・・・・・・・・・小さじ1/2


準備
キッチンペーパーを折りたたみ、小さなボウルに油を入れてひたしておく。


作り方

① ボウルに卵を割り入れてお箸で混ぜほぐす。
② ①にカツオだし(*下記参照)、しょうゆ、塩、さとうを入れて混ぜる。
③ 卵焼き用のフライパンを強火でしっかり熱する。(鉄の場合は煙が出るくらい)
④ しっかりと油をしき、卵液を1/10程度流し入れる。(火加減は強火のまま)
⑤ 膨らんだ卵液は潰しながら、奥から手前に巻いていく。
⑥ また油をしき、卵液を流し入れて、奥から手前に巻いていくのを繰り返す。
⑦ 出来上がったら器に盛り、大根おろしを添えて、そこに少し醤油を垂らして完成です。



*だし巻き卵用簡単だしの取り方(今回は混合削りぶしを使用)

大きめの耐熱容器に鰹節8gをいれて、そこに熱湯250cc程度をそそいでしばらく置いたあとに濾せば簡単出汁の完成です。 この方法なら少しの手間でだし巻き卵が作れます。

 

 

 





 

つぎに、おにぎり

手で握るおむすびほど美味しいものはありません。
具が何も入らなくても、炊き立てのご飯と塩で十分。


おにぎりを作る上で必要なもの

炊き立てご飯
塩(小さなお皿に入れておく)
水(小さな容器に入れておく)
お椀
少し湿らせたまな板
お好きな具材


作り方

① お椀に炊き立てご飯を適量(お茶碗半杯分くらい)入れて、お椀の中でご飯をころころ転がすようにお椀を振る。
② ご飯が丸く形付いたらまな板にとりだす。
③ まな板がいっぱいになるまでそれを繰り返す。
④ 具を入れる場合は、まな板にあるまるまったご飯の中央にお箸で少し空間を作り、そこに適量乗せていく。
⑤ 手にうっすらと水をつけ、塩を指三本分とり手のひら全体につける。(おにぎり一つ目だけ指3本分をもう一度)
⑥ 丸めたご飯をひとつ取り、好きな形に握る。
⑦ まな板のご飯がなくなったら①から繰り返す。

 







 

だし巻き卵の作り方は、父に教わった。

今思えば私の家族は私以外全員食いしん坊で(今でこそ私も超が付くほどの食いしん坊だが、大人になるまでは食べることに興味がなかった)、特に父は、食に対してのこだわりが誰よりも強かったように思う。
交友関係が広く外食の多かった父は、外で美味しいものを食べ、作り方を聞いて帰ってきては母に教えていた。
なかなか手に入らないような美味しいものをよくお土産に持って帰ってもきたし、美味しいお店に私たちを連れていくこともしばしばあった。

基本的に家で料理を作っていたのは母だったが、お好み焼きや鍋、そして卵料理は父がよく作ってくれた。

オムレツ、オムライス、だし巻き卵。
父の作るオムレツはいつもふわふわだったし、オムライスはケチャップライスがしっとりしていて美味しかった。
そして、だし巻き卵はお箸でつつくとお出汁がじゅわっと溢れ出た。

父はいつも、『卵料理だけは覚えておいたほうがいい。』と言って、
自分がそれを作る時には必ず私を呼んで側に置いた。
食べることや作ることに全く興味のない私だったが、覚えておいた方がいいのかな、と素直に思い、父が作るのをただただ横でじっと見ていた。

そう、ただ見ていただけだ。

特にだし巻き卵は難しいからと、何度でも私を呼んで、作り方を見せてくれた。
父が卵を割りほぐし、父がフライパンを熱し、父が卵を流し入れて形作る。
その一連の作業を私はいつも一番近くで見ていた。
何度も何度も、同じ作業を、繰り返し繰り返し。
そして、そのあとは一緒に食べた。父が好き勝手に感想を述べるのを横で聞きながら。

そしていざ、私が作る段になって思うのである。
父よ、よくぞ私を側に置いていてくれた、と。
もちろん父はプロではないが、わたしにとってそれは十分なことだった。

正解を知っているということは、料理を作る上でとても重要なことだったのだ。

過程においても完成形においても、父が作ってくれたようにならなければ失敗だったし、同じように作れたならば成功だった。

私の料理のルーツは、間違いなく育った家にある。
父と母が私に食べさせてくれたたくさんの「正解」のおかげで、今の私があるのだ。

・・・

父が教えてくれた、だし巻き卵を作るポイントは以下4つ。

・出汁は思ってるよりもかなり多めに。
・フライパンは十分すぎるくらい熱して。
・ずっと強火。
・食べる時の大根おろしは必須。

作ってくれた皆さんにとっての「正解」になれますように。

 


使用した材料はこちら>>

森田鰹節株式会社の

和だし混合削りぶし

 


正金醤油の天然醸造 濃口醤油

 

 


坂本製油 しらしめ油

 


 

波花堂の御塩



アリアケスイサンの

初摘み焼き海苔「藻紙」

 



みよさんにはフードオーケストラでレシピ開発に関わっていただいています。ぜひこちらの商品もお試しください。>>
煎り玄米粉のグラノーラ 
煎り玄米粉のホットケーキミックス各種


 

 

黒瀬みよ

1980年 食いしん坊一家の長女、大阪生まれ。3人の男の子の母。クシマクロビオティック日本校卒業。その後、薬膳を3年間、フランス地方菓子を5年間学ぶ。
2017年よりアメリカジョージア州へ。
2020年に帰国後、a treat を立ち上げる。
レシピ開発やオンライン料理教室を行っている。

おいしい よみもの

おいしいとありがとう
つくる人とたべる人
出会い、めぐり、ひびきあい
わくわくする未来へ

はじめまして! 安心できる、おいしい食品を選りすぐってお届けするオンラインストア、フード・オーケストラです。育み作る人と食べる人は、深呼吸するように、つながり、めぐるもの。しあわせで、おいしい音が、途切れることなく明日も明後日も響いたらいいなと思う。正直で、安心できる、おいしい食品を選ぶことは、作り手や子供たちの、わくわくするような素敵な未来をひらいています。私たちが毎日できる、小さくて、大きな力。日々のくらしに無理なくしっくりとくる、おいしいものやうれしいものを、私たち自身の感動を忘れることなく新鮮な目で選び、みなさまの食卓へとお届けするオンラインショップを目指します。