2023.10.23
【特集連載】レンバイって何?
レンバイを紐解く連載を始めます
「はじまりと成り立ち」
レンバイって?
ある時からフードオーケストラが参加するようになった「オーガニック連売所(通称:レンバイ)」とは一体どんな集まりなのか。
八百屋さんたちが集まって、オーガニックの野菜をあれこれ販売している……。
美味しい軽食販売、コーヒーが飲める……。
現在は、フードオーケストラの店舗が開催場所になっている……。
そんな大枠の情報を耳にされた方もいると思います。
レンバイは、いつどこで、何がきっかけでどういう人たちが集まり始まったのか。
何が他のマーケットと違うのか。
最初に概要の部分を整理し、関わるメンバーへのインタビューを連載形式でご紹介したいと思います。
「レンバイってそういうことなんだ」という理解と共にメンバーへの共感が深まり、身近な存在として大阪の街中でレンバイが根付いて行けるように、じっくり紐解いていきたいと思います。
主な登場人物とレンバイの成り立ち
現在、レンバイに関わるメンバーは主にこの7組です。ここに、月に一度くらいのペースで和歌山県よりお越しのkusatiさん(自然農で農作物を育て、天然酵母パンやおやつを焼かれ、カフェもされている)も参加されています。
■五ふしの草(奈良)榊原一憲さん
小さな農を土台とした地域循環を求めるファームスタンドと小規模有機農業の組合運営などの活動をされています。
■めぐる八百屋オガクロ(兵庫・宝塚)出口晴久さん
小規模農家さんたちが農薬や化学肥料に頼らず、自然に向き合いながら育てた野菜や加工品を扱う八百屋さん。
■Honey bee(南大阪)佐野裕希さん
店舗は持たず大阪近郊の農家さんのお野菜を移動販売で地域の方々にお届けしている八百屋さん。
■MiKAN屋(東大阪)山﨑雄司さん
「人」にフォーカスしながら、農薬や化学肥料に極力頼らないナチュラルなウマイヤサイを取り扱う八百屋さん。
■日々のごはん みくり食堂。(大阪・池田)林澄子さん
「ほっと自分を取り戻せるごはんがあれば、世界を変えなくて良い」。ささやかで豊かな暮らしをと、ごはんを作られています。
■maemuki suit!(大阪・谷町六丁目)小西宏和さん
オリジナルタオル生地から作る、タオル用品、リユースできる野菜の保存袋、廃棄野菜の染料で作るウェアなどを販売されています。
FOOD ORCHESTRA(大阪・阿倍野)大植、木田、他
シンプルで安心できる食品などを食卓へお届けするグロサリーストア。「五ふしの草」大阪店が閉じるタイミングでバトンタッチし、2023年7月より同場所に店舗をオープン。現在のレンバイ開催場所となっている。
レンバイの始まりは、2022年。
「五ふしの草」の榊原一憲さんとスタッフだった畠中久美子さん、「めぐる八百屋オガクロ」の出口晴久さんと「日々のごはん みくり食堂。」の林澄子さん、「Honey bee」の佐野裕希さん達が集まってお互いの近況を話す機会が事の始まりでした。
「大阪とその周辺都市で、独立系の八百屋が集まることで、オーガニックの新しい流通の仕組みをつくれないか?」という想いのもと「オーガニック連売所準備会」を発足し、2023年より本格始動しました。(詳しくは今後、連載にて紐解いていきたいと思います。)
2023年10月現在、4人の独立系の八百屋さんと、本質的な食べ物を届けたい3組(フードオーケストラ含む)を中心に、毎週火曜日の10時〜13時にフードオーケストラ店舗に集合し、旬の野菜や手料理、野菜の保存に最適なグッズ、その場で飲めるコーヒーなどを販売しています。
ファーマーズマーケットとの違い
レンバイは「農家さん」が野菜を販売するファーマーズマーケットとは違い、「八百屋さん」が野菜を販売しています。
それぞれの八百屋さんが交流のある小規模農家さんが、農薬や化学肥料に極力頼らない農法で育てられた野菜が並んでいます。
きゅうり、ナス、カボチャなど、一見した所スーパーと同じ種類のものが並んでいるように見えて、育つまでの過程が全然違うんです。
写真:レンバイInstagramより
旬が一目瞭然な少し偏ったラインナップになることもしばしば。(そりゃそうだ、な当たり前のことを知る機会になります)
それぞれこだわりの農法で育てられた野菜たちは、味がしっかり感じられるものが多く、ただ焼いて塩をかけたり、茹でたりするだけの簡単な調理でご馳走にすることができます。
八百屋さん達は、各農家さんとの交流を通し、1つ1つの野菜の特徴や味わい方を理解されているので、質問すると色々と教えてくれます。
ナスが数種類並んでいると「こっちは高温で調理すると美味しくなるから、天ぷらや揚げなすがオススメ」なんて会話が楽しかったりします。
そんな八百屋さんを中心に、それぞれと交流のあった食に関連する3組が固定メンバーとして参加しているのも、レンバイの特徴です。
リユースできる野菜の保存袋や廃棄野菜から染料を作り生地を染め、環境に配慮し、持続可能なものづくりをされている「maemuki suit!」さん。
自分が美味しいと感じる八百屋さんや農家さんから仕入れた食材で料理を提供する「みくり食堂」さん。
そして、安心素材の調味料や食材を様々に組み合わせてご紹介するフードオーケストラもご縁があって参加するようになり、今ではフードオーケストラの店舗が、レンバイの会場になっています。
八百屋さんたちが本気で集まろうと決めた理由
八百屋さんに話を聞いていくと、近年、夏の暑さが深刻になっていることで夏場に野菜が育たなかったり、農家さんの疲弊度が高まっている話をよく耳にします。
また、コロナによりこれまで利用されていたお客さんと会えない期間があったことや、買い物のスタイルが様々に変化したこと、物価の高騰など様々な理由で、これまでのお客さんが離れ、肌感覚での危機感を感じる機会が増えたそう。
「どうも最近、畑の様子が変わってきてないか?」
「これから先、このスタイルの販売方法で大丈夫だろうか?」
など、八百屋さん同士で問題意識が重なっていたことも、レンバイが始まる理由の一つとしてあり、だからこそ、これまで単独で動いていた八百屋さん達が真剣に向き合うきっかけになったそう。
八百屋はそれぞれ毎日目まぐるしく忙しい。集まるなんてこと、無理でしょう!その考えを一旦おいて、とにかく集まってみないか。
何ヶ月かに一度イベント的に開催するのではなく、お客さん達の日常に馴染んでいくペースとして、毎週集まってみよう。
そうしてスタートしたレンバイは、1年半を過ぎた今も、ほぼ途切れることなく毎週開催されています。
日常的な営みを共にしながら
「危機感」から始まった集まりではありますが、お客さんにとってもメンバーたちにとっても、居心地の良さを大切にして日常的な営みを継続することを重視している雰囲気があります。
商売敵になるどころか、八百屋さんそれぞれが仕入れている地域が違うことで、旬が少しずつずれていて、まだこっち(宝塚)にないものがあっち(南大阪)にはあったり、その違いがあるからこそ、何軒かの八百屋さんが集まると、1軒の八百屋さんだけではカバーできなかった野菜が買えることもあります。いろんな野菜に出会える機会になり、食べ方や保存方法の情報交換など、メリットもいろいろ。
それに、自分たちでもまだうまく言語化できていないけれど、何かこの集まりに柔らかな希望を感じ、皆それぞれの思いを持ちながら毎週顔を合わせているようなところがあります。
連載最初のインタビューでは、立ち上げの場にいた一人「めぐる八百屋オガクロ」の出口さんにお話を伺います。
次回
オガクロ出口晴久さんvol.1 「有機的な関わりを求めて」に続きます・・・
【特集連載】レンバイって何?は、「編集部だより 食と台所」に随時アップしております。こちらからご覧いただけます⇨
レンバイの最新情報はInstagramでご確認いただけます。
アカウント @o_renbai
おいしい よみもの
おいしいとありがとう
つくる人とたべる人
出会い、めぐり、ひびきあい
わくわくする未来へ
はじめまして! 安心できる、おいしい食品を選りすぐってお届けするオンラインストア、フード・オーケストラです。育み作る人と食べる人は、深呼吸するように、つながり、めぐるもの。しあわせで、おいしい音が、途切れることなく明日も明後日も響いたらいいなと思う。正直で、安心できる、おいしい食品を選ぶことは、作り手や子供たちの、わくわくするような素敵な未来をひらいています。私たちが毎日できる、小さくて、大きな力。日々のくらしに無理なくしっくりとくる、おいしいものやうれしいものを、私たち自身の感動を忘れることなく新鮮な目で選び、みなさまの食卓へとお届けするオンラインショップを目指します。