2022.12.26
黒瀬みよ
ぽりぽり蓮根
美味しすぎてお箸が止まらない!!黒瀬みよさんの今回のコラムでは、ぽりぽり蓮根をご紹介します。蓮根の切り方を工夫することで、名前の通りの「ぽりぽり」した歯応えが癖になるお料理です。おせちに加えても存在感ばっちり。お肉を加えてボリュームのあるおかずにも変身できる、おまけレシピもぜひお試しください。
コラムでは、レンコンは栄養価がとても高い食材というお話から始まり、知識に囚われずに料理作りで大切にされている点をご紹介いただきました。(フードオーケストラ)
材料(作りやすい分量)
蓮根・・・・・・・・・300g(正味)
醤油・・・・・・・・・小さじ4
砂糖(メープルシロップも美味しい)・・大さじ2
みりん・・・・・・・・小さじ4
酢・・・・・・・・・・小さじ4
酒・・・・・・・・・・小さじ4
油・・・・・・・・・・小さじ1~2
作り方
①蓮根は皮を剥き、5センチの長さに切った後1cm角の拍子切りにする。
②調味料は全て合わせておく。
③フライパンに油を熱し、❶を軽く炒める。
④合わせておいた調味料を全て入れて汁気がなくなり照りが出るまで煮詰めて出来上がり。
蓮根は縦に切ると食感がとても良いので、スナック感覚で止まらない美味しさに。
辛味が大丈夫なら、輪切りの鷹の爪を加えても美味しい。
⭐︎おまけレシピ⭐︎
同じ調味料で、蓮根150g、牛肉切り落とし200gを同じように作ると、ボリュームのあるおかずに大変身。
お弁当にも作り置きにも最適!
白いご飯にめちゃくちゃ合います。
お肉が入ったバージョン↓
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蓮根というものをマクロビオティックと薬膳の視点から見てみれば、野菜というヒエラルキーの中で、それは間違いなく頂上に近い。
蓮根が少し特別な野菜なのだと学んだのは13年前。
当時それらを学ぶなかで様々な講義を受けていたが、「薬としての食材の使い方」と言う講義は特に私を夢中にさせた。
梅干し、葛、ネギ、生姜。
それらが薬として使われていることは何となく知っていたし、例えば風邪を引いた時に生姜湯や葛湯を作るほどには馴染みがあった。
そしてなんと驚くことに、蓮根はこの中に名を連ねているのだ。
まさか、この錚々たる面子の中に蓮根が入ってくるとは思いもよらず、だからこそとても深く私の心に残った。
蓮根は血を巡らせて渇きを潤し、また、蓮根の節の部分は咳止めとして使われるほどの薬効があるとされている。
さて、前置きが長くなったがここからが本題。
その知識を得て使い方を学んだ私は、当然のようにそれを実践することになる。
皮は剥かずに洗ってそのまま使い、節の部分も捨てずに綺麗に掃除して、すりおろしたり細かく切って使う。
そうすれば効果は絶大だ、と学んだのだ。
「そうしなければならない。」
「必ず、そうした方がいい。」
得た知識を100%使いこなすことに、私は必死になってしまった。
当たり前だが、皮を剥かない蓮根が美味しいはずはないし、節なんてはっきり言って食べられるものではない。
美味しいと思わないものを無理やり食べたり食べさたりすることは、自分にとっても家族にとってもとても苦痛だ。
だが、知識を得た私は皮と節を捨てることに抵抗を覚えてしまった。
そしてそれを続けるうちに、とうとう蓮根を買うことすらなくなった。
蓮根に限ったことではない。
全ての食材について学んだことを実践しようとしていた私は、料理をすることも食べることも全く楽しめなくなった。
まさに本末転倒。
健康を求めて得た知識が足枷になり、心も身体も不健康になってしまったのだ。
ここが私のひとつの転機となる。
家族が喜ぶ美味しい料理を作りたい。
ありがたいことに今はみんな健康だから、健康的であるかどうかは二の次。
望まれるものを普通に、でもとびきり美味しく作りたい。
そう思うようになった。
私は料理を美味しくするために蓮根の皮を剥いて、節を切り落とした。
その瞬間、知識によって付けられた足枷も一緒に捨て去った。
何という身軽さ。
見える世界は一変した。
知識を得るということは、自分の行動に「must」や「should」が増えるということだ。
それらが増えるということは、自分の心の中の「want」や「like」に目を向けられなくなるということ。
自分だけじゃない、家族や周りの人々の心の中のそれにも必ず鈍くなる。
大事なことは、得た知識を自分自身の考え方や生き方、置かれている環境と照らし合わせて取捨選択すること。
全く同じ知識を得たとしても、咀嚼の仕方は人それぞれ。
自分自身の正しさは、他人と共有することはできない、自分だけのものだ。
そしてたとえ捨てたものがあったとしても、頭の中からその知識は無くならない。
また必要になった時に取り出して使えばいい。
今の自分にとっての最善の道具を両手に正しく持つために、私はこれからも頭の中の引き出しにたくさんの知識を集めたい。
自分の心の赴くままに、楽しみながら作ることを続けていきたい。
そしてそこから生まれたレシピが誰かの役に立てるのならば、きっとそれが、私の一番の幸せなのだ。
写真:黒瀬みよ
正金醤油の天然醸造 濃口醤油 500ml |
オーガニック・メープルシロップ |
FOオリジナル 種子島の粗糖650g |
河原酢造の老梅 有機純米酢500ml |
坂本製油 しらしめ油 五合瓶 |
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黒瀬みよ
1980年 食いしん坊一家の長女、大阪生まれ。
3人の男の子の母。
クシマクロビオティック日本校卒業。
その後、薬膳を3年間、フランス地方菓子を5年間学ぶ。
2017年よりアメリカジョージア州へ。
2020年に帰国後、a treat を立ち上げる。
レシピ開発やオンライン料理教室を行っている。
おいしい よみもの
おいしいとありがとう
つくる人とたべる人
出会い、めぐり、ひびきあい
わくわくする未来へ
はじめまして! 安心できる、おいしい食品を選りすぐってお届けするオンラインストア、フード・オーケストラです。育み作る人と食べる人は、深呼吸するように、つながり、めぐるもの。しあわせで、おいしい音が、途切れることなく明日も明後日も響いたらいいなと思う。正直で、安心できる、おいしい食品を選ぶことは、作り手や子供たちの、わくわくするような素敵な未来をひらいています。私たちが毎日できる、小さくて、大きな力。日々のくらしに無理なくしっくりとくる、おいしいものやうれしいものを、私たち自身の感動を忘れることなく新鮮な目で選び、みなさまの食卓へとお届けするオンラインショップを目指します。