おいしい よみもの黒瀬みよ「はなうたレシピ」

じゃがいもとアンチョビのグラタンのご紹介です。

黒瀬みよさんが紹介してくれるお料理は、驚くほどの美味しさに加えて、手軽に作れる、そして何度も食べたくなるレシピばかりです。
今回ご紹介するじゃがいもとアンチョビのグラタンもそのうちの1つ。
美味しさに驚き、またとても満たされた温かい気持ちになるのです。

肌寒く、温かい料理が身体に染みる季節、みなさまもほっこり温かい気持ちになりますように。（フードオーケストラ）

材料（作りやすい分量）          　　　　　　　　　　　　

じゃがいも・・・・・・450g(正味)
アンチョビ・・・・・・4～5切れ
生クリーム47%・・・・1パック(200ml)
塩・・・・・・・・・・小さじ1/4

※アンチョビについて
本レシピの分量は、アサクラのアンチョヴィを使ったレシピです。アサクラのアンチョヴィは、鮮度の良いプリッと大きなカタクチイワシで作られているのが特徴です。他の商品をご使用の際は、お好みの分量で調整して作ってみてください。

アサクラのアンチョヴィフィレ230g →商品を見る

波花堂の御塩 100g →商品を見る

作り方

① じゃがいもは皮を剥く。
② 耐熱皿にスライサーで薄くスライスしたじゃがいも(全体量の1/5程度)を敷き、アンチョビ1切れをちぎってところどころに置く。それを4～5かい繰り返し、最後はじゃがいもで終わらせる。
③ 塩を全体に振り、生クリームを回しかける。
④ 予熱せずに180度のオーブンで50分焼く。
⑤ 真ん中を爪楊枝で刺してみて、スッと通れば出来上がり。

・包丁でスライスすると分厚くなり、火の通りが悪くなるのでスライサーを使うことをお勧めします。






 

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秋はとても、気持ちがいい。

タンクトップだった部屋着がトレーナーに変わり、夏用の薄い布団が羽毛布団に変わった。
外に出て上を向けば、高く青い空とウロコ模様の薄い雲が見える。
息を吸えば、暖かさの中にある細かい冷たい空気が肺を潤す。
日陰に入れば涼しいが、背を丸めるほど寒くないのも秋らしくてとても好ましい。
そしてなにより、お腹がすくのだ。
それはもう、気持ちがいいくらいに。

いつもと同じお米を炊いても3割増で香りが高いのだから、秋の空気は不思議だ。
読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋。
そう例えられるように人間のやる気が出るのも秋なら、お米も、秋になるとやる気が出てくるのだろうか。

こんな風に秋を感じて私の食欲がやる気を出した途端、なぜか食べたくなるのがオーブン料理だ。
グラタン、キッシュ、タルトやパイなどの焼き菓子。
温かみのあるオーブン料理はとても魅力的で、食べると身も心も温かく幸せな気持ちになる。

「さて今日はどんな料理を作ろうか。」
食べることもそうだが、作ることすら楽しみになるのが秋なのだ。
まるで魔法だ。

毎年、そんな秋の魔法にかかった私が作る大好きなオーブン料理がある。

じゃがいもとアンチョビのグラタン。
じゃがいもとアンチョビと生クリームさえ用意すればすぐ出来て、簡単なのにとても美味しい、大好きな料理だ。

ずっと、いつか料理教室でやりたいと思っていて、10年以上温めてその時期を見計らっていた、私にとってとても大事なレシピ。

今か今かと出番を待っていたレシピなのだが、なかなか機会に恵まれなかった。

そして今回、フードオーケストラで特別なアンチョビを取り扱うことになったのだと聞いた。
すぐに問い合わせて中身を見せてもらい、私は即座にこう言った。
「コラムで紹介したい料理がある！」と。

見たこともないような立派でふくよかなそのアンチョビは、あのグラタンを作るのにぴったりだと思ったのだ。

この料理に出会ってからかれこれ15年ほど。
これを作らなかった冬はないし、飽きたと思ったこともない。
もっとも、簡単にできるということも飽きない理由のひとつなのだが。

この料理を、たくさんの方に作ってもらえるといいな、と思う。
きっとこの美味しさと手軽さは、たくさんの方を救うと思うから。
美味しさに心が救われ、手軽さに身が救われる。
自分にとってこの料理は、そんな存在だ。

・

どうぞみなさま、素敵な秋を。

写真：黒瀬みよ

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黒瀬みよ

１９８０年　食いしん坊一家の長女、大阪生まれ。
３人の男の子の母。
クシマクロビオティック日本校卒業。
その後、薬膳を３年間、フランス地方菓子を５年間学ぶ。
２０１７年よりアメリカジョージア州へ。
２０２０年に帰国後、a treat を立ち上げる。
レシピ開発やオンライン料理教室を行っている。