【特集連載】レンバイって何?
FOOD ORCHESTRA_前編
「手探りで始めたグロサリーストア」

毎週火曜日にFOOD ORCHESTRA(フードオーケストラ)店頭で開催している「オーガニック連売所」略してレンバイ。

最終回は、私たち「FOOD ORCHESTRA」を紐解いてみます。

今回の聞き手は「五ふしの草」の榊原さんの計らいで、五ふしさんとNARAFOODSHED共同制作の「マーケットの向こう側」というルポルタージュ連載で聞き手をされている三宅翔子さんと、カメラマンの中部里保さんにお越しいただき、インタビューをしていただきました。

翔子さんは「五ふしの草」で店舗スタッフをしていた経験から、FOOD ORCHESTRAあべの店がオープンすることになった際にも、スタッフとしてチームに参加してもらうことになった頼もしい存在です。

今回、自分たちのことを紐解くにあたって、そんな翔子さんにインタビューをまとめてもらいました。

カメラマンの中部さんは、自然な表情や笑顔を引き出してくれながら、聞き手としても力を発揮してくださるほどで、自分たちのことを振り返る良い時間となりました。

少し照れくさいような回ですが、2回に渡って紐解いていきます。

(冒頭文:木田)
(本文:三宅翔子 写真:中部里保)



同級生の二人

代表の大植亜希子(あきこ)、そして大植とは高校時代からの長年の友であり、現在は良きビジネスパートナーでもある木田鑑子(あきこ)。

今回は「FOOD ORCHESTRA」の二人の今までの道のり、今の心の中を少し覗いてみた。

2020年12月にオンラインストアをプレオープンし、2023年暮れのインタビュー時にちょうど3周年を迎えた「FOOD ORCHESTRA」。歩み始めた時は、コロナ渦のオンラインショップからのスタートだった。

食卓には色んな人が集まり、色んな食材や食器が並ぶ。台所では色んな音が鳴っている。

そんなイメージから“オーケストラ”という名前が選ばれた。



何もかも初めてのこと

元々、食に関わる仕事をしていた訳では無かった二人。何を取り扱うか、商品選びも初めての経験だった。まずは、『塩』の歴史を知るところから始めたそう。そこから、調味料。いわゆる『さしすせそ』を調べる。

少しずつ知らないことを知っていくうちに、徐々に自分たちの大切にしたいことが見えてきた。


左:木田(あだ名は「きこ」) 右:大植(あだなは「あっこ」)

大植:だんだんと調べていくうちに、歴史というか全体図みたいなものが見えてきて。その中で、商品を選ぶ基準がなんとなくできてきて。自分で選んでるから商品の説明もちゃんとできるし、そういうのが枝分かれしていって、扱う商品も増えていった感じかな。

木田:なるべくシンプルな原材料で作られているものをセレクトするっていうのが、最初からあったよね。でも、絶対そうでなければならない! みたいな感じではなくて。オーガニックやからOKとかそういうのでもないし。なんでその原材料を使ってるのか、しっかり生産者から聞いて、納得したものを選ぶようにスタートしたかな。

大植:あとは値段かな。高くて良いものっていう選択肢があっても良いと思うんやけど、なるべく買いやすく続けられるような値段のものを選ぶようにしていきました。


写真:オンラインストアオープン当初のトップページ画像

最初は険しい道のりだった

大植:最初はほんまに大変やったよね。店舗のあるお店やと「新しいお店がオープンしてるわ!」って感じで入ってきてくれるけど、オンラインショップって気付かれへんのよね。最初は知り合からの注文がほとんどで、注文の入る日のほうが少ないぐらいやった(苦笑)。

木田:最初は、手書きでメッセージを入れられるぐらいやったもんね(笑)。

大植:知ってもらうために、1年目はなるべく催事に出るようにしてたね。


――百貨店やイベントなど、さまざまに出店していた当時。少人数で運営していたこともあり、オンラインストアの運営に、催事の手配など疲弊したこともあった。

オンラインストアを始めて1年が経とうとした頃には、徐々に自分たちが出たいものや、縁がある催事に絞って出店するようになった。2年目に入った春、縁があってある場に出会うことになる。

それがレンバイだった。


写真:レンバイInstagramより

レンバイに通い出して


大植:オンラインを始めて2年目の春頃に、レンバイがスタートして。

木田:その頃は、まだ準備会やったね。

大植:野菜とか生鮮食品とか、そういったものを扱ってる知り合いが誰もいなかったから、とにかくそういう人たちと話がしたい! と思って、なるべく毎週レンバイに通った。自分達は調味料も扱ってるし、野菜を扱ってる人と話をして、この野菜はどうやって作られてどんな調理がおいしい! とか旬の野菜をもっと身近に感じたいと思ったんよね。

木田:その頃には、オンラインショップだけじゃなくて、店舗も持てたら良いねっていう話も出ていたしね。良い食材を選んで買いに来ているお客さんたちや売り手の生の声を聞きたい! っていうのもあったかもね。

――レンバイの空気感や安心感に救われたことも多かったと振り返る。

大植:レンバイに行くと、皆が話をしてくれる。食に関わっている知り合いが少なかった身としたら、やっぱり安心感があって。レンバイの空気感もすごい良いなぁと思って。榊原さんをはじめ出口さんや佐野さん達がどういう人たちで何を考えているのかもっと知りたくなって…それで自分たちからレンバイに参加させてもらえないかってお願いしたかな。そしたら、是非! って言ってくれて。


写真:レンバイInstagramより

レンバイ開催場所が自分たちのお店に?!

――レンバイの一員として参加するようになり、そこから目まぐるしく状況も変化していった。

その流れの中で、色々なタイミングも重なり、レンバイの開催場所でもあり、五ふしの草 大阪阿倍野店だった場所を、フードオーケストラが店舗としてバトンを受け取り引き継ぐことになった。

以前より考えていた、実店舗オープン。色々なタイミングも重なり、ストンと着地したような形になった。


写真:Mai Murakawa

大植:何でこの場所にオープンしたんですか?ってよく聞かれるけど、本当に色々なタイミングが重なって、それがこの場所! っていう感じで。

今までこの場所は、五ふしの草さんや、オーガニック系の食堂など、心ある食に関わるお店が入ってきた歴史があるから、そういうものが求められている場所なのかな?って思うし、私たちもできることをやっていきたい。

木田:バトンを引き継いで、既にレンバイの開催場所でもあるこの場所に実店舗をオープンするって決まった時は、最初は全然実感がなくて、不思議な感じやったなぁ。でも、最初からこんなに全て揃ってる環境とか、今まで作り上げてきてくれたものもあって、とても有難いなぁと思うようになったねーー。

次回、後編に続きます。

【特集連載】レンバイって何?は、「編集部だより 食と台所」に随時アップしております。
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レンバイの最新情報はInstagramでご確認いただけます。
アカウント @o_renbai

おいしい よみもの

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はじめまして! 安心できる、おいしい食品を選りすぐってお届けするオンラインストア、フード・オーケストラです。育み作る人と食べる人は、深呼吸するように、つながり、めぐるもの。しあわせで、おいしい音が、途切れることなく明日も明後日も響いたらいいなと思う。正直で、安心できる、おいしい食品を選ぶことは、作り手や子供たちの、わくわくするような素敵な未来をひらいています。私たちが毎日できる、小さくて、大きな力。日々のくらしに無理なくしっくりとくる、おいしいものやうれしいものを、私たち自身の感動を忘れることなく新鮮な目で選び、みなさまの食卓へとお届けするオンラインショップを目指します。