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表面のゆらゆらした表情が楽しい
ホワイトボウル
岐阜県中津川市で作陶されている田中直純さんによるホワイトボウルが届きました。
田中さんが琺瑯のボウルが好きで使っていた時に「これを陶器で作ったらどうなるだろう?」と作られたボウルです。
粘土を型に沿わせて手で伸ばしていく「玉作り」の技法で作られているため、ゆらゆらしたような表面部分の表情が楽しいボウルです。一つ一つ手で作られた現れで、温かな柔らかみを感じられます。
少しずつ違うその側面の「ゆらぎ」は、コントロール仕切れない部分でもあり、いつも完成するまでヒヤヒヤするそうです。と同時に、毎回読めない仕上がりが「とても面白い部分」と語られる姿が印象的でした。
食卓にあると、とても存在感がありながらスッと馴染むボウルです。
京都で陶芸を学び
ギャルリ百草へ
京都の大学で陶芸を学ばれた田中さんは、学生時代は轆轤(ろくろ)を使用して数量を正確に沢山作る技法を教わっていたそうです。
大学卒業後の進路に迷っていた時、岐阜県多治見市でギャルリ百草を主宰されている陶作家の安藤雅信さんの器に出会い、衝撃を受けたそうです。「自分が求める理想の器がそこにあった」。そんな大きな出会いとなり、「ギャルリ百草」の門を叩き、12年勤められました。
そこでは、学生時代とは全く違う技法を学ばれます。粘土の板を石膏型に添わせて作る「タタラ作り」や、型の中に粘土の固まりを入れて型に沿わせて手で伸ばしていく「玉作り」という技法など、今の田中さんの作品スタイルが作られていきます。
どちらもとても手間と時間がかかる技法で、轆轤に比べて1日に作ることができる量も限られてしまいますが「この技法でしか出せない、土の柔らかさや佇まいが好きなんです」と、穏やかな笑顔で話されていました。
独立されてから
現在はギャルリももぐさから独立され、山と川に囲まれた自然豊かな岐阜県中津川市に工房を構えられた田中さん。普段使いの器をメインに、ご自身も学ばれている中国茶の道具など、田中さんならではの繊細かつ温かみのある器類を作られています。
生活の道具として
フードオーケストラが今回セレクトした田中さんの器やれんげは、どれも田中さんご自身が生活の中で「これくらいのサイズのもので、こんな使い方をしたいなぁ」と思いを巡らせて作られたものです。
「例え生活の中で欠けてしまったとしても、少し手を入れて直してでも使ってもらえるようなものを作れたらな、と思いますね」と話されていた田中さん。
気を使いすぎないで日常的に使える温かみが感じられ、でもどこか特別で食卓にあると嬉しくなります。是非、年月を重ねて楽しんでいただきたいです。
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ホワイトボウル
サイズ:直径 19cm x 高さ 13cm
素材:陶器
技法:玉作り