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※こちらはプロダクトになりますが、作家の器と同じようにすべて手作りです。ひとつひとつ、形・サイズ・色合い・風合いが異なることをあらかじめご了承くださいませ。
伊藤環さんがプロデュース・デザインするプロダクトシリーズ
1+0(イチタスゼロ)は、岡山県岡山市在住の陶芸家、伊藤環さんがプロデュース・デザインするプロダクトシリーズです。
陶芸家としてのお仕事とは別に、1+0のプロダクトシリーズに取り組まれている理由や職人仕事に対する思いなど、伊藤ご夫妻に伺ったお話は後半にじっくりご紹介しています。ぜひご覧ください。
※大中小の大サイズがLサイズです
プレートの特徴
日本人の食生活を考えて「和でも洋でも受け止める懐の深いお皿」がコンセプトで作られています。
カレーライスの最後の米一粒まで掬えるような縁に立ち上がりのあるデザインは、型物では難しく、ロクロでは地味ながらも技術的に高度な技が必要です。
人の手ならではの技が醸し出す、プロダクトとは思えない魅力を持った器であることを目指し、作られています。
使用例:ホットケーキとおかずが乗っているお皿が、リムプレートSサイズです。
職人が一点ずつ作るプロダクト
プロダクトと呼ばれるものの印象は、機械生産で同じ物を型を使って効率よく大量生産する様に思われますが、1+0はその真逆の作り方をされています。
伊藤さんが器を作る際に大切にしていることを口頭で職人さんに伝え、見本どおりになるように、指導しながら作っていく方法をとられています。完全に任せられるようになるまで3年ほど時間がかかるそうです。
一つひとつ職人さんがロクロで作り、釉薬をかけ、焼き上がったら高台や表面をヤスリを使って磨いて生み出されたのが、この1+0シリーズです。
1+0/イチタスゼロ誕生の経緯
2013年、このシリーズが誕生した背景には大きく2つ理由があったそうです。
一つは、伊藤さんの息子さんの離乳食が始まった頃に感じたことが大きく関係しています。
その頃、手元にあった小皿を何気なく使っていたところ、とても使いにくく「子供用だからといって小さいというだけではダメなんだ」と気づかれた伊藤さん。
片手で子供を抱っこしながら離乳食をお皿から掬う時、とても使い辛かったことから「親にとっても使いやすいものがあるといいな」と感じ、デザインのアイデアが生まれていったと言います。
そうして息子さんの成長とともに、この時期にはこれくらいのものがあったらいいなぁと実験のようにいくつかのバリエーションが生まれていきました。
また、子供の頃に使っていたものを大人になっても使って欲しい。そんな願いから、子供使用に限定されることなく、小鉢や小皿として末永く使い続けられるような、温かみのあるデザインが誕生しました。
職人が作る体制を作った理由
二つ目の理由としては、次世代への技術の継承がありました。
やきものが庶民に使われ大量に作られだした江戸時代の器には、魅力的な仕事をしたものが沢山あったと伊藤さんは考えます。
肩の力が抜けていて個体差が大きいのも魅力の1つで、それは工業製品だと産み出せません。その1点1点の揺らぎが実に健康的でたくましく魅力的に感じた伊藤さんは、そのような質の高い仕事をプロダクトとして現代でも出来ないかと考えました。
※上記の子供の器シリーズは2024年1月以降、再入荷予定です。
伊藤さんが若い頃、器を作る世界では引き出物などまとまった量を作る機会があったため、数を作ることで技術が身につき「芸は身を助ける」状態がありました。しかし、職人仕事と呼べる技術を身につける仕事がだんだん減っている事実もあり、伊藤さんは気がかりでもありました。
伊藤さんご自身が技術を継承していく年齢になってきたと感じた時、若い陶芸家が技術を身につける機会づくりの一つとして、このプロジェクトがその一端を担うことができるとも考えました。
自分ではない人も自分がデザインした器を作れるように。
自分の弟子や次世代に職人仕事を伝えたい。
実はそんな願いも込められて作られています。
柔らかく優しい印象を持つ1+0の器たち。より一層一つひとつの風合いの違いも味わい深く感じていただけることと思います。長い年月の間、皆様の食卓にてお楽しみいただけますように。
プレートL
サイズ:直径約24cm×高さ約2cm
素材:陶器